特別展「原田裕規:ホーム・ポート」が広島市現代美術館で開催されます。美術館初の大規模個展です。
1989年開館の広島現美と自分は同い年。広島出身のぼくにとっては、現代美術と初めて出会った場所でもありました。本展では《One Million Seeings》《Waiting for》《シャドーイング》など、これまでの代表作が一挙公開。さらに、新シリーズの「ドリームスケープ」もお披露目されます。
来年1月にはフィルムアート社よりカタログを兼ねた初作品集も刊行されます。どうぞご期待ください!
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原田裕規(1989-)は、2012年に「ラッセン展」や「心霊写真展」の企画でデビューし、社会の中で広く知られる視覚文化を題材とするプロジェクトからその活動をスタートしました。また近年は、広島や山口からハワイへ渡った移民について調査し、日系アメリカ人の混成文化を題材にした映像作品《シャドーイング》を発表しています。本作品内で登場人物は次のように語ります。
うんと遠くに行こうと出航しても、
まるで舵の曲がったボートみたいに同じところに戻ってしまう
その場所こそが「私自身」だ
私は決して「私自身」から逃れることはできない
本展タイトルと同名の作品《ホーム・ポート》は、日系人も多く移り住んだ町であり、2023年夏に大火に襲われたマウイ島ラハイナが描かれたラッセンの作品がもとになっています。広島出身であり、ラハイナへの滞在歴もある原田は、「母港」を意味するこの作品の題名を展覧会のタイトルに採用しました。したがって、本展は原田にとっての里帰り展であるともいえるでしょう。
本展では、原田が現時点の集大成とする新展開の平面作品に加えて、これまでに制作された代表的な映像/インスタレーション/パフォーマンス作品、10代の大半を過ごした「広島時代」の初期絵画などを紹介します。多様な展開を見せる彼の制作の歩みが「舵の曲がったボート」のように母港に帰還するさまを、ぜひご覧ください。
展覧会チラシ
info:
特別展「原田裕規:ホーム・ポート」
会期:2024年11月30日(土)– 2025年2月9日(日)
会場:広島市現代美術館
開館時間:10:00–17:00
休館日:月曜日(ただし1/13は開館)、年末年始(12/27–2025/1/1)、1/14(火)
観覧料:一般1,100円(850円)、大学生800円(600円)、高校生・65歳以上550円(400円)、中学生以下無料
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金
公式ウェブサイト
主催:広島市現代美術館
後援:広島県、広島市教育委員会、中国新聞社、朝日新聞広島総局、毎日新聞広島支局、読売新聞広島総局、中国放送、テレビ新広島、広島テレビ、 広島ホームテレビ、広島エフエム放送、尾道エフエム放送
助成:公益財団法人小笠原敏晶記念財団、公益財団法人朝日新聞文化財団
支援:令和6年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業
機材協力:CG-ARTS
割引:県美×現美×ひろ美 相互割引
アーティスト・トーク
展覧会場をめぐりながら、原田裕規が展覧会についてお話しします。
日時|11/30(土)14:00–15:00
場所|広島市現代美術館 展示室 B-2、B-3
※要展覧会チケット、申込不要
対談「ハワイと瀬戸内の深いつながり」
講師|木元眞琴(日本ハワイ移民資料館館長)、原田裕規
日時|12/15(日)14:00–15:30
場所|広島市現代美術館 地下 1 階ミュージアムスタジオ
※要展覧会チケット(半券可)、申込不要
担当学芸員によるギャラリートーク
担当学芸員によるツアー形式の展示解説
日時|12/21(土)、1/18(土)15:00–16:00
場所|広島市現代美術館 展示室 B-2、B-3
※要展覧会チケット、申込不要
《シャドーイング(3つの自画像)》特別上映+作家トーク
TERRADA ART AWARD 2023ファイナリスト展にて発表され、神谷幸江賞を受賞した《シャドーイング(3つの自画像)》の特別上映を行い、あわせてアーティスト・原田裕規が作品、展覧会について語ります。
会場|広島市現代美術館 地下1階ミュージアムスタジオ
定員|50名程度 ※先着順
料金|無料 ※要展覧会チケット(半券可)、事前申込不要
アートナビ・ツアー
アートナビゲーターによるツアー形式の展示解説
日時|毎週(土)(日)(祝)(休)
—1/5 12:10–12:25、15:10–15:25
1/11— 11:45–12:15、14:45–15:15
場所|広島市現代美術館 展示室 B-2、B-3
※要展覧会チケット、申込不要、11/30、12/1、イベント開催時のぞく