原田 裕規 Yuki Harada

東京都写真美術館で開催中の「現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21」に参加しています。
日本では5年ぶりの公開になる《写真の山》と、24時間写真を見続けるパフォーマンス作品《One Million Seeings》3点(合計72時間)を展示しています。

「日本の新進作家」展は、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するために、新しい創造活動の展開の場として2002年より継続して開催しています。21回目となる本展では、社会、環境、人と人との関係性を自身の立ち位置から問い直し、写真を通して世界の断片を提示する5 名の作家たちの試みを紹介します。

私たちは、これまで当たり前と感じていた価値観が揺らぐような数々の出来事に直面し、変化のある時代に生きています。写真表現も、技術の進歩と普及、表現手法の多様化にともない、その環境は激変しています。本展の出品作家たちは自身の感性にしたがって世界と向き合い、独自の視点で思考を深めて作品として提示します。

生物や日用品など身のまわりにあるささやかな存在に目を向けて、時間を留める手法として写真を扱う大田黒衣美、自身が暮らす土地の仮設的とも言える変化を止めない風景を、淡々と観察し、記録し続けるかんのさゆり、ドキュメンタリーの視点と虚実を混ぜたイメージで現実をあぶりだす千賀健史、一般的な概念にとらわれず個と個の距離と関係性を切り取る金川晋吾、かつて誰かが見た光景を通じて、見るものが持つ記憶を喚起させる原田裕規。表現する手法として写真を選びとり、しなやかなまなざしで現実をとらえる作家たちの作品は、現在を生きる私たちにいつもとはすこし異なる角度から世界を見る視点を与えてくれます。5 名の作家たちの多様な試みを通して、今日の、そしてこれからのまなざしの可能性を改めて見つめる契機となることでしょう。

info:
現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21
会期:2024年10月17日(木)– 2025年1月19日(日)
会場:東京都写真美術館
出品作家:大田黒衣美、かんのさゆり、千賀健史、金川晋吾、原田裕規
開館時間:10:00 – 18:00(木・金曜日は20:00まで、図書室を除く)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12/29-1/1)※1月2日(木)と3日(金)は10:00-18:00開館
料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、東京新聞
協賛:東京都写真美術館支援会員
公式ウェブサイト
フライヤー(PDF)

■出品作家とゲストによるトーク(大田黒衣美×原田裕規×中村史子)
2025年1月18日(土)15:00 – 17:00
講師:大田黒衣美(出品作家)、原田裕規(出品作家)、中村史子(大阪中之島美術館主任学芸員)
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190 名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布します。